#02「時の図書館」

#02

「時の図書館」

 

「皆様、ご覧ください!」

ニュースアナウンサーの背後に映るのは巨大なクレーター。

「先日、消息を絶った輸送船が原因だと思われるこの巨大なクレーターは・・・」
まくしたてるように口早に続けるアナウンスが、暗がりに映し出されたモニターから流れている。

「あんた逹、よく生きてたもんね・・・」

【時の図書館】と看板を掲げているこの建物の主【リリー・キャット】

膨大な情報を管理する情報屋でもある。

最も、ほとんどは非合法な情報なのだが・・・

「もう少しで、でっかいお宝が手に入ったんだけどな。」

結局、あの爆発の後何事もなく普段(?)の生活に戻ったローズ逹であったが

無事に助かったのは悪運の強さと言える。

「邪魔さえ入らなかったら・・・ちくしょう!」
思い出したかのように、拳を自分の掌に叩き付ける。
 

「珍しいわね?」
 

「次に会ったら、ボコる!」
握った拳を震わせる。

「何者かしらね?」
 

「それを調べるのがアンタの仕事だろ?」

「データベースは今、使用中だし・・・ね」
少し困ったように、あごで促す。

「困りますぅ~っ!」
足をパタパタ振りながら何やら、叫ぶはるかの声が響く。

良く見るとどうやら本に夢中になっているようだ。

ただでさえ貴重な【本】というものがここには所狭しと並んでいる。

そのほとんどは、失われた時代の文化の残りなのだが・・・

その中の一冊を無造作に拾い上げめくって見る。

【恋は爆裂・パンクラッシュ!】と題されたその一冊に夢中になるはるかを眺めながら呟く。

「良くこんなん読めるな・・・」
基本的に文字を読むのは好きではないらしい。

「お~い、リリー」
誰か来客らしい。
 

「例のヤツ、判ったか?」
遠慮なくずかずかと入ってくる。

「あらブルー、いらっしゃい」
挨拶もそこそこにディスクを投げ渡す。

「あん?客か?」
受け取ったディスクをしまいながら隣に座る。

「まったく、邪魔さえ入らなかったら上手く行ってたんだがな・・・」

「まったくだ・・・」

やれやれとお互いに顔を合わせる2人

「・・・・・・」

しばらくの沈黙・・・

「あああぁ~~~!!?」
絶叫の二重奏が響き渡る。

 

#03

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