モンスターハンター・ベルカ 第7話

#07 「腐灰竜」

 大地を割り、現れたのは全身を、岩と苔の鱗に包まれた巨大な竜であった。

「ウオォォォォォォォーーーーン!!」

 咆哮ではなく空気そのものを震わせて吼える。
そして、全身にまとわり付くように飛び回る<大雷光虫>それが一斉にハンターたちの自由を奪い去っていく。

「ぐあぁぁぁぁぁ!?」
その、威力は並みのハンターでは防ぐことが出来ず、次々とその命が
奪われていく。

 それはあまりにも、凄惨な光景であった。

「気をつけろ!こいつ、とんでもなく強いぞ!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!」

 逃げ惑うハンターたちを見下ろし、高らかに笑うヴォルドー
「さぁ!私の人形として、その命を捧げるのだ!!」

「ベルカ!ここは一旦、引くべきだ!」
ハヤブサが促すも、ベルカは動こうとはしない。

「おっさん!そこ動くなや!!」言うが否や、一気に跳躍する。

が、それを阻むように巨大な竜の尻尾が、ベルカを壁に叩きつける。



 壁を突き抜け、瓦礫を落としやっと、止まる。

「ベルカ!?」ハヤブサが駆け寄ろうとするが、何者かが立ち塞がる

「お前たち!?こんな時に争っている場合じゃあるまい!?」
「・・・・・・・」
が、その声は届くことなく、次々とその前に現れる。

「こ、これは・・・?!」

「くくく・・・どうかね?これこそが私の実験の産物だよ!」

「どんな恐怖や、迷いも、断ち切り、ただただ敵を倒す」

「まさに、最高の兵士たちだよ!」

 禁忌とされるその行いにより、生み出された終わることのない命

だが、それは自らの意思はなく

ただ、言うがままに動くのみ。

「死者蘇生(ネクロマンス)ということか・・・」
アインが、奥歯をかみ締める。

「こんな、研究がこの世界にあってはいけないのよ。」
火薬をあたりに撒き終えて、たいまつに灯を灯す。

「ベルカが、知ったらとんでもないことになるな・・・」

「始めるわよ、さがって」

 次々と、実験場(プラント)の柱が弾け燃え、轟音と供に炎が駆け抜けていく。

 操られて、立ち塞がるハンターたちを振り払い、ベルカの元へと急ぐハヤブサ。

「・・・この殺気は!?」

「・・・・・・・・・・」

 その目前に立ち塞がるは、かつての友。

「まさか、あなたほどの人が・・・」

 すでに、物言わぬ人形となった友に静かに告げる。

「せめて、この手で眠らせてあげます!」

太刀を抜き構える

 

  つづく

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設定補足
 

 <腐灰竜>(オリジナル設定)


未確認の古龍種として、書籍のみが残されている巨大な竜。

その身体は、とうに朽ち果て、ぼろぼろと崩れ落ちていく

ヴォルドーにより、蘇生されるもののその、強大までの能力までは引き出せず、

それを補うために頭部に<唄姫>として生み出された少女を埋め込んでいる。

周りに浮遊する<大雷光虫>を操る事により、自分の身を守る。

が、最大の攻撃はその<大雷光虫>を敵の体内に寄生させ

それを使い、自らの脅威から身を守るというものである。

本来は、おとなしい性格なのだが<唄姫>の唄により、凶暴化している。

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