#06 「禁忌」
夢を見ていた。
「後は僕がにゃんとかするにゃ」
<待って!>
届かない言葉。
「お嬢と一緒に旅ができた楽しかったにゃ」
<やめて!行かないで!!>
「さよならにゃ、お嬢」
辺りが、光に包まれていく。
「アーサーーーーーーー!!」
手を差し伸べる、しかしその手は虚しく空を切って落ちた。
「・・・・・・・夢・・・・?」
にじんだ涙をぬぐう。
「気が付いたか?」
その声に反応して武器を探す、
が、身体が痺れて動かない。
「あの高さから、落ちたんだ、無理はしないほうが良い」
「あなたは・・・!?」
良く見れば、彼は先ほど私と一緒に<轟竜>と戦ったハンターだった。
確か、<アイン>といったか。
「ここは?」
辺りを見渡しながらたずねる。
「さぁね、何かの墓場らしい・・・」
だんだんと、闇に眼が慣れてくる。
闇に慣れた眼に飛び込んできたのはおぞましい光景だった。
あたり一面に打ち捨てられたモンスターたちの死骸
そしてハンターと思われる者達の骸。
そこらじゅうに、建てられた柱の中には
見たことも無いようなモンスターが水(の様なもの)の中に浸されている。
「これは・・・実験場(プラント)!?」
「禁忌(きんじゅ)と、されている研究か・・・」
無造作に読んでいた本を投げ捨てて言う。
「!?まさか、あなたも禁忌を探しているの!?」
緊張感が走る。
「俺は、ハンターだぜ?こんなもんに興味は無いね」
「興味があるのは・・・」
言いながら手を握る。
「君のことさ」
が、次の瞬間
彼女の片手剣がのど元に突きつけられた。
「私は、真面目な話をしているんだけど?」
両手を挙げて後ろに下がる。
「うらぁぁぁぁ!!」
大剣を振り上げ突撃する。
いつの間にやらたどり着いた大広間では
残されたハンターたちが次々に集まり、生き残りをかけ戦っていた。
「どんどんこんかぁーーーい!」
もっとも、<ベルカ>は喧嘩として楽しんでいるようなのだが・・・
「ペースを考えろ!このままでは、追い込まれるぞ!」
先ほど、協力を申し出たハンターが言う。
「はっ!その前に、おめぇらみんなくたばるのさ!!」
他のハンターたちも次第に手を組み始めたようだ。
「ふっ、この<疾風のハヤブサ>を舐めてもらっては困るな」
言いながら、一気に駆け抜け剣撃を繰り出す。
その後で次々に倒れていく、ハンター達。
「安心しろ、峰打ちだ。」
「やるやないか!そんな、ほそっちょろい剣で!!」
「これが、太刀の戦い方だ」
一撃に趣きを置く<大剣>とは違い、一瞬の踏み込みで相手を絶つ、
シキの国で伝わる武器それが<太刀>である。
熟練者の一撃は山をも切り裂くという。
「なかなか、良い見世物だ」
パンパンと手を叩きながら祭壇の上から声がする。
「だが、そろそろ終わりにしようか」
「どういうことだ!?」
周りにいたハンターたちが騒ぎ出す。
「簡単なことだよ・・・」
両手を組み、ほくそえむ。
「唄・・・?」
ベルカがかすかに聞こえる、その唄に反応する。
「君達は、ここで私に、その魂を捧げるのだ!!」
言葉と同時に地面が激しく揺れる。
「ウオォォォォォーーーーーーーン!!」
地面を砕きながら現れたそれは、見たこともない生物であった。
その巨体はゆうに<グラビモス>の大きさを超える。
そして、その咆哮と同時に、雷撃の塊がハンターたちを襲う。
「な、なんや!?こいつ!!?」
「古代種か!?」
ベルカの問いにハヤブサが叫ぶ。
「ぐあああああああ!!」
「ぎゃああああああ!!」
雷撃を喰らって、ハンターたちが次々と倒れていく。
「くくくくく・・・」
邪悪に歪む<ヴォルドー>の笑み。
「光栄に思うが良い!神となるこの私の研究の糧になるのだからな!」
「人の命を弄ぶとは、愚かな!」
ハヤブサが怒りをあらわにする
「この・・・・・・・・・・・」
ベルカの様子が豹変する
「おおばかやろがぁぁぁぁぁ!!!!」
凄まじい怒りの声で叫ぶ。
その声に空気が振るえ揺れる。
つづく
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設定補足
キャラクター
<ハヤブサ>「隼」と書く。
ツバメと同じく<シキの国>出身のハンター、
ツバメの父ハヤテとは兄弟弟子で、
無二の親友である。
今回、ツバメとは別に
単身でハヤテの捜索に繰り出してきたところをベルカと出会う。
メイン武器は<太刀>
この物語の設定ではまだ、ドンドルマには伝わってきていないので唯一、彼がその使い手である。
<謎の女性ハンター>
とある、目的により今回の騒動に参加する
過去に<轟竜>といわれるモンスターと戦ったことがあるらしい。
今回のメイン武器は片手剣。
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