#05 「父」
「我々、一族は陰に生きるものだ」
腕を組み、静かに告げる。
「光あれば、また闇もあり!」
「それは、表裏一体」
私は、物心付いてから、そう教えられてきた。
それは、<父>としては無く、
<頭領>として。
しかし、突然<父>は、全てを捨てた。
家族も、一族も・・・誇りさえも。
やがて、母も逝き一族は滅んだ。
「なぜだ!?なぜ、あなたは全てを捨ててここに来た!?」
ツバメの声だけが響く
何も答えずお互いに武器を構える。
地面を蹴り、間合いを詰める!
お互いの双剣がギリギリと軋み震える。
少しの気の迷いがツバメを惑わせる。
その隙を逃さず一気に武器を弾く
「しまった!剣が・・・」
叫んだ瞬間、身体に激痛が走る!
「・・・・ち、ちうえ」
ツバメの腹部には双剣が深く貫かれていた。
力なく崩れ落ちるツバメ、それを見下ろす
その眼に最早、光は宿ってはいなかった・・・
「グォォォォーーーーーーッ!!」
その、咆哮に空気が震える。
「こ、こいつ、強い!」
ハンマーをいくら、叩きつけても怯まない
そのモンスターに焦りを隠せないアイン。
「とりあえず、動きを封じるわ!」
言いながら、閃光玉を投げつける。
が、闇雲に暴れだした、そのモンスターにより地面が崩れる。
ボコーーーーーーン!!
その下は、かなり深い空洞らしく、そのまま落下していく。
その闇はまるで、大きく開かれた口のように
アインたちを飲み込んでいった。
つづく
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今回の設定補足
ツバメの父親について。
名前は<ハヤテ>
シキの国にあるハンター(狩人)達を統合する組織の頭領。
が、ある事情により突然自分の地位を捨て里を抜ける。
何より儀を重んじる為に、全てを独りで背負い込む。
俗に言う<ニンジャ>武器は、双剣。
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