#09「絆」
光が溢れている。
それは 心地好い温もり
大切なもの
無くしたくないもの
ずっと求めていたもの
「手に入れろ・・・」
「お前が【ヒト】になる為に・・・」
深い闇に閉ざされた底から声が聴こえる。
「大切なものがある」
「それだけでいくらでも強くなれる」
光が見える。
そこに手を伸ばす
まとわり付く闇を引きちぎり、その光を掴む為に。
「うあぁぁぁぁぁぁ!!」 叫び声と共に身体が引き裂かれていく。
それでも構わない。
大切なものを無くすよりは
「ば、ばかな・・・!?」 困惑を隠しきれず、声が出る。
自分の右腕を犠牲にしながらも 囚われた鎖から解き放たれていくその姿は 悲痛ながらも美しさを持っていた。
「はるか!」
「嬢ちゃん!」
ローズにとって 【家族】
ブルーにとって 【仲間】
二人の想いが声になる。
「「ぶっとばせぇぇぇ!!」」
閉じ込められた檻の中から今、解き放たれる!
「すべてを失うつもりか!?」
Dr.が問い掛けのように叫ぶ。
「失いはしない!」
渾身の力を込めて光を叩き付ける。
全ての想いを解き放つ為に・・・
「取り返す!」
何かが砕け散っていく 爆音の中、仲間達が散っていく 「これまでなのか・・・・」 拳を握り締め吐き捨てるようにつぶやく 「諦めるな」 「ここで終われば、この惑星に明日は無いんだ」 かつて【緑成す惑星】と謳われたこの惑星は 人類の度重なる抗争により疲弊していた それでも尚人類は争う 自らがこの惑星に【君臨する者】足るために それは過去の栄光 人類は今 自らが創造した【守護者】によって滅亡の危機にあった 人類を護るために創られたはずの【守護者】 だが【守護者】は人類にその刃を向けた 追い詰められた人類は 自らの惑星を捨て逃げ出すもの それでも抗うもの
そして、諦めるもの それぞれの願いは【守護者】によって平等に与えられた 【消滅】という形で 「私が行こう」 決心してつぶやく 「創造主としての責任を果たす」 「何言ってんだ!?」 「もう、お前だけの問題じゃないだろう!!」 「片手を無くした君じゃ、無理だ」 先急ぐ彼を戒めるように言う
「お前は責任を果たすんだろ!?」
行かせまいと肩を掴む
「だったら生きて責任を果たせ!!」
背を向けて言う
「はるかに伝えといてくれ」
「・・・・・・・・」
彼は、一度決めたら決してその意思を曲げることは無い
それ故にもう何も言うことは出来なかった
「お前の笑う顔は大事な仲間に見せてやれ」
「ってな」
その言葉が彼の想いであった
自らの使命を彼女に背負わせた責任
それを、受け継いで欲しいという願い
私は【守護者】を創造した
この惑星の未来のために
だが【守護者】の出した答えは
【人類の消滅】
何かが狂ったのか、それが答えなのかは知る由も無い
彼のその行動によって
一時的にではあるが
【人類は未来を得た】
だが、それ故に
【惑星そのものが消えようとしている】
だから私は【罪を背負うことにした】
この惑星を救うために
例え人類にとってそれが絶望という結果であっても
それでも人類は生きていける
わずかな、希望という名の未来を作り出すために
「もう、いい・・・・・・」
すべてを、受け止めるためにその身をさらけ出す
【未来は託されたのだから】
受け継がれた【導きし者】の意思
そして、仲間達の【絆】によって
つづく
最終話
http://tamarun.masa-mune.jp/simpleVC_20101231193304.html
目次へ
http://tamarun.masa-mune.jp/simpleVC_20100521200907.html
メインページへ
http://tamarun.masa-mune.jp/simpleVC_20090710051651.html